なんか心がふわんふわんってする時もあれば、きゅうんって締め付けられる 感じがする時もある。 例えばさり気ない仕草とか、名前を呼ぶ声とか、駆け寄ってくるかわいい足音とか。 そういうの全部まとめて、ああ、好きだなぁって思っちゃうんだ。 どこが、だなんてこと言えないけど!だって全部全部好きなんだから。
え?一人占めしたいとか思わないのかって?ん、そりゃちょっとは・・・うん、すごく 思うけど!それに先生は誰にでも優しいし、明るいし、かわいいから、狙ってる奴 多いんだよ!俺心配で心配で!
わかってるよ、先生が感情に流されやすいってことは!いや駄目じゃんそれ! そのときの感情が左右されてんだよな。俺なんかこの前、先生とそのときのノリで 魚市場行ったんだぜ!初デートで魚市場って!卸売りとかしてんだぜ!?生臭いんだ! でもそんなところも可愛いんだけど・・・っておい!聞いてるか!


「・・・マサちゃん、それ絶対センセはデートと思ってないよー」
「ええ!?嘘!そんなはずは・・・!」
「いーい、いくらセンセでも魚市場はポペラありえないよぉー!」
「でも約束ねっ!って指きりげんまんまでしたんだぞ!可愛かった・・・!」
「・・・はいこれ。ゴロちゃんがー、まとめてあげたんだから感謝してよね!」
「なんだ?これ、『ゴロちゃんのミラクル乙女センセ観察ノート☆』?」
「それセンセの行動記録だよ!それみて研究したら?」
「悟郎!たまにはお前もいいことするんだな!」
「何それ〜たまにはって!ポペラプンプン〜!」



そのまま廊下を走っていってしまった悟郎を見送りながら、手渡されたノートを見る。
ピンクのキャンパスノートに「ゴロちゃんのミラクル乙女センセ観察ノート☆」と これまたピンクのペンで書いてある。 俺はとにかく見てみることにした。何事にも知識は必要だもんな!




げつようび。
ゴロちゃんが放課後、センセを探してるとすぐに見つかっちゃった!
校門の前でツバサがバイクで誰か待ってたから聞いてみたら、
「副担とレストランに行こうと約束してな。副担を待っているところだ。 そういうわけだ悟郎、今日は構ってやれんぞ。一のところにでも行け」って言ってたの〜。
ゴロちゃんも付いて行きたかったけどー2人の仲を邪魔するのも悪いかなぁと思って遠慮しておいた ー!ゴロちゃんポペラ乙女の味方ー☆

(な!真壁と?!何で悟郎そういう時だけは止めないんだよー!!!)


かようび。
バカサイユの前でハジメとセンセを見つけたよ!2人で肩を並べて仲良さそう だった!ねことじゃれてるセンセは可愛かったよ♪
ゴロちゃんもめちゃプリティーだけどっ☆会話に入ろうとして駆け寄ったんだけど、
「いいよなぁ・・・ねこにゃん癒されるぜ・・・なぁ先生もそう思うだろ? え?そんなに好きじゃない?!先生人生損してるぜ!ほら抱いて見ろって!!ほらっ!」
・・・なんか2人の世界を作っちゃってて入り込めなかったよーポペラショックー!

(草薙まで・・・!っておい悟郎そこはなんとしてでも入り込めよ!)


すいようび。
教室でそろばんとちらしを見ながらにらめっこしてるシュンとセンセを見ーっけ!
2人とも一人暮らしだから家計のきりもりとか大変なんだろーなぁ、ゴロちゃんよくわかんなーい! 計算苦手だけど魔法があればポペラ大丈夫だもん!こっそり聞いたんだけど、
「ここは鶏肉が安い・・お、ここはにんじんだ!たまねぎも安いな・・・ そうだ、先生!チキンカレーにして半分づつっていうのはどうだ?そのほうが安くすむだろう」
なんか、ふたりで夕ご飯わけっこするみたいだったよ。なんか夫婦みたいだね〜! ゴロちゃんもセンセのお嫁さんになりた〜いっ!

(なーにぃ〜!俺だって先生の手料理なんて食べたことないのに!ずるいっ!)


もくようび。
廊下で水鉄砲の打ち合いをしているキヨとセンセを見かけたよ!
なーんかセンセに悪戯しかけてるときのキヨってすごい生き生きしてるんだよねぇ〜、 これまで水鉄砲で歯向かってくるセンセなんていなかったし、キヨも嬉しいんだねきっと! ゴロちゃんちょーっとポペラ妬けちゃうなぁ☆
「どーこ向けて撃ってんだよ!!でもよりブチャになってお前にはお似合いだぜェ! ・・・っ!やりやがったなァ!この俺様に攻撃して無事ですむとか思ってねーダローなァ!」
あんまり近づくとかーわいいゴロちゃんがびしょぬれになっちゃうから近づけなかったけどー、 センセも結構楽しそうな顔してたよー!しかもキヨってちゃっかりスキンシップ激しいよねー。 詳しくは書かないけどーポペラ羨ましいぃぃぃ!ゴロちゃんも負けないんだからぁ!

(スキンシップって何を・・・!何をしたんだ!仙道〜っ!!)


きんようび。
中庭ですやすやねているミズキとセンセを見つけたよ!
今日はちょうどいい気温だし、眠たかったんだろーね―ゴロちゃんが近づいても二人とも 全然気付かなかったよー!ミズキはセンセの膝の上で寝てるし、ちゃっかりトゲーもミズキの 真似して一緒に寝てたよ☆仲良しさんーポペラポペラ!!
「・・・・すー・・・先生・・・・今度はもっと・・・いろいろな話、 ・・・したいな・・・・ね、先生?・・・ぐー」
寝言っぽかったからあんまり聞き取れなかったんだけど、結構いろいろな話してるみたいだよぉー! いつのまにぃ?内容気になる気になるー!傍で地団駄踏んでたら爬虫類が召還されちゃったの! ゴロちゃんポペラ苦手ーっ!!走って帰ってきたの―――っ!!

(いろいろな話!?しかも先生の膝枕?!!?)




「B6のやつら俺が知らない間に〜っ!!・・・ん?まだ何かある?」

1週間の先生の観察のあと数ページ開けたその後ろに、 鉛筆でそれぞれ走り書きみたいな感じで、じゃかじゃかっと書いてあるページを見つけた。




センセと付き合うひとの条件をB6が教えちゃうよー!ポペラ必見―☆
じゃツバサから!
「ふん・・・そうだなこの俺のような容姿を持ったPREFECTな奴だ!」
次はハジメねー!
「そりゃもっちろん動物好きな奴に決まってるだろ!それ以外は認めねぇ!」
そっかそっかー次はシュン!
「金の管理がちゃんと出来る奴だ。家計簿も付けれない様では駄目だな!」
次はーキヨ!
「キシシッッ!仙道清春サマみたいに悪戯が出来る奴に決まってんダロ〜!」
じゃ最後ミズキ!
「・・・一緒に・・・昼寝が出来る人・・・・」「トゲー!!」
はいっ以上でしたー☆
最後に一言プリティーゴロちゃんから!!
センセはゴロちゃんのものだよーポペラッ☆」





「・・・・なんだコレ・・・」

つまりは、B6の戦線布告ということで。
壁は俺の前に高く高くそびえ立っていたのでした。くそー!
でも俺だって先生とデート行ったし、負けてないもんな!・・・・な?




乙女的展開
「おい!悟郎!!副担が何故お前のものなんだ!?」
「いーじゃんいーじゃん!ポペラお似合い〜☆」
「よくない!訂正しろ!!」
「ナナのくせになに言ってんだ〜?ブチャは俺のおもちゃだってーの!」
「ぷー!いつもいつもキヨばっかり構ってもらっちゃってずるい!」
「・・・ぼくもそう思う・・・トゲーもそう言ってる・・・」
先生って動物みたいで可愛いよなぁー!頭なでてーぜ!」
「ハジメはネコでも飼ってればいいじゃん!センセはゴロちゃんがもらうんだから!」
「いや、それは待て!それとこれとは別だ!!」
「・・・ちゃんが好きなのは分かるけどっていうか私も大好きだけど!」
「何ー?南先生、ゴロちゃんたちとーってもポペラ大切なこと話し合ってるのー!」
「わかるけど・・・・今授業中!話を聞きなさーい!!ちゃんに言いつけるわよ!」
「ひー!言いつけないで!ゴロちゃんたちちゃんとお話聞くから〜!!」





最初は真田先生だったのいつのまにかこんなことに・・・・わーお!
ライバルは多いってことで・・・うん、まぁ。