うだうだうだうだうだうだうだうだうだ、 「はい、はい・・・・はい、それでは失礼します」 ばたん、とドアを閉めて廊下へ出る。 そこで一回かがんでから立ち上がる時、奇声を発した私を、皆見て見ぬふりをして通り過ぎていく。 「だぁああああああああ、もぉぉおおおおおったくぅぅううう!!!」 「っ、だっ!」 と、そこで頭に痛みを感じた。 あれ?と思って後ろを振り返れば、顎を押さえて痛みにもがいている ユゥジくんがいた。あれ?どうかしたの?おーい。 「お前がしゃがんでるから具合でも悪いのかと思って・・・・っ」 「なるほど・・・うん、ごめん」 声を掛けようとした瞬間にいきなり私が立ちあがったもんだから、ちょうど後頭部がユゥジくんの 顎に良い感じにクリーンヒットしてしまったらしい。うーん、我ながらなんという石頭なんだ。 ごめんごめんと、軽く声を掛けながら痛みに耐えているユゥジくんの頭をぽんぽんと撫でる。 「おいおい、ヒロと同じ扱いかよ」 「いやぁ、ユゥジくんが私より下にいる事ってあんまりないから新鮮でつい、」 「つい、ってお前なぁ・・・」 呆れたようにため息をついてから、すっくと立ち上がったユゥジくんはいつもの笑顔をたたえて 立っていた。ありゃ、回復もかなり早かったようだ。 私はユゥジくんと目線を合わせて少し頭を下げる。 「ごめんね。せっかく心配してくれたのに」 「あ、ああ・・・まぁ元気ならいいんだけどな。なんかあったのか?」 「いや、石寺長官が・・・・・・・・・・・ぐだぐだぐだぐだぐだぐだぐだぐだぁああああああああ、もう!」 「よし、落ちつけ。な。気持ちを落ちつかせろ、分かった分かったから、な?」 「ぜぇ、ぜぇ・・・・しょうがない事だけどね、ああああもうほんとはぁぁ・・・」 「よしよし」 「子供扱いしないでくださるー?」 「おあいこだ」 抵抗しようとすれば、そうやって返してくる。そしてそれはもっともな事でぐっと私は黙るしかない。 頭に手を置いて顔を覗き込んできたユゥジくんは、不満そうな私の表情を見て苦笑する。 と思ったらその笑顔も消えて、少し黙ってから口を開いた。 「お前、顔色悪いぞ・・・ちゃんと寝てるか?」 「あー・・・うん、寝てるよ?」 「本当か?」 「ちょっと最近忙しくて。アキラちゃんと作戦ミーティング立てたり、ヨウスケくんの代わりに魚さばいたり、 甘粕くんと資料整理したり、ヒジリくんのナンパ術にひっかかったり、石寺長官に怒られたり、オチャヅケのしつけをタクトくんに言われ てやったり・・・・」 「おいおいおい、途中ちょっとおかしいの混じってたぞ?!そういう事までやってるから大変なんじゃないのか?!」 「ユゥジくんの口の中がパン粉まみれになるよりはいいかなって思って・・・」 「う、それは、まぁ・・・あれは酷かった・・・・」 「でしょ?」 「そうだな・・・ってそうじゃない!ていうかヒジリのナンパ術ってなんだ?!そしてオチャヅケのしつけって・・・!」 「どれも大切な事だって言われたら断れなくてね・・・」 「まったく・・・あいつらには俺から言っておくから、少し休め」 「うん、ありがと」 「・・・・・・・・・ちょっと来い」 一応頷いたっていうのに、ユゥジくんの表情は怪訝そうなまま変わらない。 不思議に思っていると、ユゥジくんは私の手首を掴んで廊下をそのまま歩き出した。 そして廊下の隅の長椅子が置いてある所まで来ると、座ってぽんぽんと膝を叩いた。 「・・・・ユゥジくん?えーと・・・?」 「な?」 「な?って・・・えーと、ユゥジくんの心が読めないのですが」 「早くしろよ、ほら、」 「え、ちょっと!」 ぐいっと手首ごと引かれたかと思ったら隣に座らされる。そしてそのはずみでユゥジくんの膝に私の頭が ぽすんと置かれる。 真上にはユゥジくんの笑った顔。この状況は一体・・・・?あの・・・・? 私の言いたい事を悟ったのだろうか、ユゥジくんは少し笑って、私の目の上に大きなその手のひらを被せて しまった。 「お前はいつも無理ばかりするからな、心配なんだ。休めって言ったって休まないだろうしな」 「・・・・・・・・ありがとう」 「おやすみ」 ユゥジくんがそう優しく語りかけるように言うもんだから、ついつい目がとろんとしてきてしまって、 目を閉じてしまった。低音な彼の声はとてもとても眠気を誘うもので、それに対抗できなかったのだ。少しだけ、 ほんの少しだけの休息は、彼の体温が心地よく私を包んで、久々に穏やかな午後を過ごせたのだった。 いや、ほんとまったくもって感謝感謝。 でも、私が次に目を開けた時、こころなしかユゥジくんがやつれていたのは何で なんだろう?もしかして私、ユゥジくんの元気を吸い取っちゃったのかなぁ? ゆりかごでおやすみ? 「ああああああーっ!ユゥジ、さんになにやってるのさ!」 「うん?どうしたんだい?ヒロ、・・・・わぁお、これはサプラーイズだね。むしろ事件?」 「お、2人が一緒にいるなんて珍しいな・・・ってこれはなんでもないぞ、俺はこいつを休ませようとしてだな・・・!」 「「・・・・・」」 「おい、こら!黙るなよ、カズキまで黙ると怖いだろーが!」 「ミーはミュージックのミューズが降りてきたみたいだからこのへんでバイバイするよ」 「あー僕、セパタクローをヨウスケに教えてもらうんだった・・・」 「こら、ちょ、待て!おいどこ行くんだ!」 ・ ・ ・ ダッ ・ ・ ・ 「みんな、大変だよっ!ユゥジがーユゥジがー!!ついにさんにやらかしちゃったんだよー!!」 「ミ―もこの目で確かにシ―しちゃったのさ!ベリーに大変だよ!」 「「「なにっ!!??」」」 ユゥジも見てみたいという方がいらっしゃったのでこのサイトでは恒例の男の膝枕をユゥジへ進呈しました。笑 (100909) |